2013年5月7日火曜日

Canary Wharf で日本語レッスンの副業


一ヶ月くらい前から会社のハンガリー人に日本語を教えています。

彼は16年ほど前に一年間宇都宮に滞在した経験があるらしく、
しかも日本の家庭にホームステイしていたそうなので、
その当時は基本的な会話はこなしていた様子。
しかし、その後日本語を使う機会がないため、随分忘れてしまったそうな。

恐らく私はこのビルで唯一の日本人。
昨年末オフィスで行われた親睦会みたいなので彼と知り合った後、
顔を合わせれば日本語で話しかけるようにしていたが、
この度正式に週一日本語レッスン提供契約を結びました。

私はプロの教師ではないので、授業料は相場よりやや低め(?)に設定し、
一時間15ポンドでお昼休みにレッスンしています。

このハンガリー人、既にヨーロッパ5言語を話し、大学院では同時通訳を専攻し、
以前はEU議会にて通訳として働いていらしい。
その5言語とは、ハンガリー語、フィンランド語、スウェーデン語、チェコ語、英語。
うーん、英語以外はどれもなんだかマイナー言語なのがなんとも... 
すごい、だからこそ需要があるんだろうか。

そして現在は趣味でギリシャ語を学んでいるようだが、これも恐らく相当なレベル。
自称「言語学者」で、日本語の学習に関しても着眼点が興味深く、理解も早く、意欲的。

外国人に日本語を教えるのは初めてではないけど、
相手が言語学者ゆえのユニークな着眼点が時に新鮮です。

先日話に上ったこと。

英語で例えば、
Yesterday I went to Piccadilly for shopping, and had lunch with my friend.

日本語にすると、
昨日ピカデリーに買い物に行き、友人とランチを食べた。

みたいな感じになると思うのだが(私の日本語スタンダードによると)、
彼はこの場合に、日本語で and を「~と」 と訳さない点に着目。

ヨーロピアン言語の頭で考えると、
ピカデリーに買い物に行った と 友人とランチを食べた 
的な訳を期待するようだ。

ここで and が「~と」とならない理由については、一応自分なりに納得のいく説明をし、
彼はさすが言語学者だから理解が早く大変助かるのだが、
日本語のこういう細かい点をこうこうこういうことだから、
ときちんと説明できたらいいなあ... と思った。

あと、英語では一般的なようだが、日本語ではあまり交わされないような日常トーク。
例えば日本で、「週末はどうでしたか?」なんて、 友達同士ならまだしも、
エレベーターで乗り合わせた会社の顔見知りには尋ねないだろう。
こういう質問はあまり発生しないだろうから、、と前置きすると、
そんな個人的な質問をするのはイギリス人だけで、大陸ヨーロッパでもない!と一蹴。
英語を習い始めた当初、英会話Nで毎回講師にこの質問をされて、
え、別に...  と答えに戸惑っていた自分を思い出し、懐かしくなりました(笑)。


他にも言われて気づいた日本語のユニークな点がたくさんあり、
こちらも毎回日本語に新たな発見があり、
改めて言語の奥深さにのめりこんで行きそうです。

毎週一時間の授業ながら、少なからず彼にとって刺激となっている様子。
予習復習をしてくれているようで、昔の記憶も蘇るのか、
回を重ねる毎に上達が伺えるのが嬉しいです。

私は私で、なんとかこの経験をテコに将来的に販路を拡大できないかと模索中(笑)。

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2013年5月5日日曜日

イタリアミクロ留学 in Venezia ② 学校編


少し時間が空いてしまいましたが、ヴェネツィアで一週間通ったイタリア語教室について書きます。

今回のヴェネツィア行きは、家人のガラス工芸留学に便乗して決定したわけだが、午前中一人でふらふらしているのもなんなので、イタリア語の勉強でもしてみようと思ったのが発端。
前記事にも書いた通り、学校は、ロンドンのピカデリーにあるItalian Book Shopにチラシが置いてあったところ。
買い物する時はいつもいろいろ比較検討して迷う自分には珍しく、他の学校を探すこともなく簡単に決定。
デポジットを求めらず、ゆるーい感じだったのが良かったのかも。



リド島に泊まっていたので、ヴェネツィア中心部にある学校までは、ヴァポレット(水上バス)で40分程の通学。

今でこそヴァポレットにもすっかり慣れてしまったものの、大通りの代わりに運河があって、運河脇すぐに建物が聳え、しかもその建物のどれもがディズニーランドにあるような門構えで、バスの代わりにボートで移動する... って、日本の田舎のみならず、他の国(例えばイギリス)から来るにしても、ものすごい非日常だわ...。

何度訪れても全く飽きない、特に海を見ながら育った(東京湾だけど)私にとっては本当に心地よい世界。
初めてここへ来てこの光景に感動したことは忘れちゃいかんなと思いました。



この白い建物の一階部分が教室。
ヴェネツィアの中心地、リアルトまで歩いて10分程度。
それでも観光客でごったがえすことのない、静かなエリア。

一日4時間、少人数の授業で、コーヒーやお菓子が振舞われるという点以外は、特に前情報なく登校したところ、初日の月曜日には前の週からいるアメリカ人のグループ6人組(以下米6)がおり、そこに私ともう2人が新規加入という形だった。

この米6、ただ米なだけでなく、そのほとんどが老人で、語学のセンスなんて皆無。
まあホリデイの片手間に教室に来ている有閑倶楽部だから仕方ないんだけど。

おいまじかこの連中と同等扱いか...

しょっぱなから心中穏やかでなくなったものの、
この米たちは、翌日の午前中で授業を終了し、その後は私を含めて
3人の小グループになる、と最初に説明があり一安心。

最初の一時間ほどは簡単な課題に付き合わされたものの、
数ヶ月前にロンドンのイタリア語教室で習った内容の復習ができたので、
まあ良しとする。

一時間ちょっとやって休憩。
その時点で講師が米6と我々新入生のレベルの違いを認識しており、
(と言っても、私も十分初心者なのだが...)
休憩後は米6とは切り離され、イタリア語初心者ながら、見るからに教養とセンスが光る、元古典音楽教師のデンマーク人のご婦人と2人で別課題に取り組むことに。

米6は2日目の朝には去り、以降は私とデンマークのご婦人、
もう一人ホリデイついでの超初心者スイス人の3人クラスとなった。
先の一週間米6たちと授業を受けていたご婦人よりも、
ロンドンで10回授業を受けた私のレベルのほうがまだ上なので、
終始私主導で授業が進んだ。この環境は個人的にはすごく良かった。

少人数なので、講師がこちらに何を勉強したいか、希望を聞いてくれる。
そのおかげで、週の後半には、再起動詞と過去形まで勉強できた。
ロンドンのイタリア語学校で週一10週間かけてやる内容を、一週間で押さえた感じか。



そしてロンドンに戻ってから知って驚いたことには、

この学校のオーナー兼イタリア語講師のイタリア人、ロンドン在住で、
私の会社の同じフロアの人の友人とフラットシェアをしているとか。

おーい、世界狭すぎるだろ。

さて、私が滞在した週には、我々初心者クラスの他にもうひとつ、
上級者クラスが開催されており、フランス人のおばさんがいた。
米6らが去った後は、上級者クラスはそのおばさん一人きり。

ある日、彼女とランチを一緒にした機会に尋ねられたこと。
「どうしてこんなにもたくさんの日本人がイタリア語を勉強したがるのか?」

このおばさんは12年イタリア語を学んでいるらしく、
ヴェネツィア以外にもイタリア各地の語学学校に短期留学経験があるらしいのだが、
そのたびにコースには必ず何人かの日本人いるので、驚いたのだとか。
(今回は私一人だったけど)

私は日本人のイタリア語留学がそこまでメジャーだとは知らなかったので、 逆にその質問に驚いたのだが。
まあ、考えてみると日本人てイタリア大好きな民族だわね。
私の勝手な見解では、

イタリアの食べ物、
イタリアのファッション、
イタリア人男性、

この3点に魅了される日本人が多いのではないか?
と、どこまでも個人的な意見をもって回答としておいたが、本当のところどうなんでしょう?







私ですか?今のところヴェネツィアが好きだから、が第一目的です。



これは学校にほど近い住宅密集地の裏路地。
家々の外壁にぶら下がっているスーパーの袋は、各家庭のゴミ。
こうして出しておくと、ゴミ収集の人が持って行ってくれるようで、
ちょうどその現場を見届けました。
二階の人は、ベランダからゴミ袋を吊るした紐を垂らしていました。
集められたゴミ袋は、手押し車でまとめて持って行かれ、
その後、ボートでどこぞやへ運ばれ消えて行きました。


こちらは学校から徒歩3分ほどの運河沿いにある Tearoom というカフェレストラン。
日本茶はじめ、アジア系のお茶が豊富で、お食事は全てヴェジタリアン。
宿にキッチンがなかったので、栄養補給に大変重宝しました。
写真は野菜のスープに、トスカーナブレッドと呼ばれていたパン。
スープといえど侮るなかれ。結構なボリュームで、男性も満腹にする。
そしてこのパンがやたらと美味しい。自宅で再現できないかな。



このお店は学校のおススメで、クラスメイトとランチに出向きました。
こういうちょっと留学っぽい体験ができて嬉しかったり(笑)。
オーナー兼シェフのご夫婦は英語堪能で、イタリア語学習者にも非常に協力的。
店内にはこのように動物の絵が飾られ、ポストカードなどの販売もあり。
別にヴェネツィアでなくてもどこにでもあるような雰囲気のカフェながら、
観光客主体の商売が中心のヴェネツィアにいると、むしろそういう日常に近い場所が新鮮だったな...。

学校は午後1時で終わるので、午後はここでお茶やランチで一休みし、
家人と合流してヴェネツィアの各エリアの生活事情を見て歩きました。


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2013年5月1日水曜日

イタリアミクロ留学 in Venezia ① 宿編



昨年12月の7度目のヴェネツィア訪問で改めてその魅力に魅了され、
今年1月、ブォンジョルノからイタリア語の勉強を開始。
3ヶ月経過した先々週、休暇を兼ねてヴェネツィアでイタリア語教室に通いました。

学校は、ロンドンのイタリア語教室の教材を買いに行った先、
ピカデリーの Italian Book Shop にチラシが置いてあったところ。
私にしては珍しく、特に比較検討もせず、わりと即申し込んだのですが、
行ってから知ったところによると、ヴェネツィアにはイタリア語学校2校しかないらしいです。
いや、本当はもっとあるのかも?
ただインターネットで検索して出てくるのは2校だけ、とクラスメイトが言っていました。

同じ週に家人はムラーノでガラス留学するので、宿は学校を介してではなく自分で取りました。
前回バルセロナで泊ったような、自炊のできるアパート希望でしたが、
ヴェネツィア本土のアパート、ホテルはどこも尋常ではない高額っぷり。
どうせヴァポレットのチケットを買うのであれば... ということで視点を変え、
夏にはヴェネツィア映画祭の舞台となる離れ島のリドに宿を取りました。
本土に比べてリドやムラーノだと宿はだいぶ安いです。

ヴェネツィアは実に8回目の訪問ですが、リド上陸は初めて。
ヴェネツィアに来たはずなのに車が走っている光景が新鮮でした。

宿は、いつものように Booking.com で、せっかくだから海の見える部屋という条件で探したのですが、これが大当たり中の大当たり!
お部屋は全面ガラスばりのラグーンビューで、巨大なプライベートテラスからは目の前一面のラグーンと、ヴェネツィア本土をも臨めます。
到着したのがちょうど夕暮れ時だったので、部屋に入った時は日没が美しすぎて、説明を聞く所ではなくひっくり返りそうでした。

テラスからの眺めがこれだ。




結局このテラスが快適すぎて、5泊の滞在中ほとんどは夕方出歩かず、
日暮れ前からテラスでビール、レモンチェロ、ワインにおつまみで夜を迎えていました。
これも「観光しなくてはもったいない!」という根性がないがゆえに持てる余裕でしょうか。

さて、今回のヴェネツィア訪問の大目的は、将来的な移住の可能性模索。
前回訪れてかなり気に入って、イタリア語の勉強も始めたわけですが、
果たしてその情熱は本物か?の確認と、具体的にどうやって移住を叶えるか?の調査。
情熱が本物であることは、初日にもう確認済み。
移住については、イタリアの経済状況やビザの制約など考えると現実的な話には映らないかもしれませんが、まあ何事もトライしないことには始まらないですから。
実際日本人でもヴェネツィアに住んでいる方はいらっしゃるわけだし、
出来ない理由を探して動かないという選択肢はないのです。

ロンドン移住、カナリーワーフ就職を、コネなし金なし運なしから15カ年計画で達成したので、ヴェネツィア計画もいけるような気がしています。

何はともあれ、長い燃え尽き症候群から脱するきっかけとなりそうな目標が見つかったのが大収穫です。

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