一ヶ月くらい前から会社のハンガリー人に日本語を教えています。
彼は16年ほど前に一年間宇都宮に滞在した経験があるらしく、
しかも日本の家庭にホームステイしていたそうなので、
その当時は基本的な会話はこなしていた様子。
しかし、その後日本語を使う機会がないため、随分忘れてしまったそうな。
恐らく私はこのビルで唯一の日本人。
昨年末オフィスで行われた親睦会みたいなので彼と知り合った後、
顔を合わせれば日本語で話しかけるようにしていたが、
この度正式に週一日本語レッスン提供契約を結びました。
私はプロの教師ではないので、授業料は相場よりやや低め(?)に設定し、
一時間15ポンドでお昼休みにレッスンしています。
このハンガリー人、既にヨーロッパ5言語を話し、大学院では同時通訳を専攻し、
以前はEU議会にて通訳として働いていらしい。
その5言語とは、ハンガリー語、フィンランド語、スウェーデン語、チェコ語、英語。
うーん、英語以外はどれもなんだかマイナー言語なのがなんとも...
すごい、だからこそ需要があるんだろうか。
そして現在は趣味でギリシャ語を学んでいるようだが、これも恐らく相当なレベル。
自称「言語学者」で、日本語の学習に関しても着眼点が興味深く、理解も早く、意欲的。
外国人に日本語を教えるのは初めてではないけど、
相手が言語学者ゆえのユニークな着眼点が時に新鮮です。
先日話に上ったこと。
英語で例えば、
Yesterday I went to Piccadilly for shopping, and had lunch with my friend.
日本語にすると、
昨日ピカデリーに買い物に行き、友人とランチを食べた。
みたいな感じになると思うのだが(私の日本語スタンダードによると)、
彼はこの場合に、日本語で and を「~と」 と訳さない点に着目。
ヨーロピアン言語の頭で考えると、
ピカデリーに買い物に行った と 友人とランチを食べた
的な訳を期待するようだ。
ここで and が「~と」とならない理由については、一応自分なりに納得のいく説明をし、
彼はさすが言語学者だから理解が早く大変助かるのだが、
日本語のこういう細かい点をこうこうこういうことだから、
ときちんと説明できたらいいなあ... と思った。
あと、英語では一般的なようだが、日本語ではあまり交わされないような日常トーク。
例えば日本で、「週末はどうでしたか?」なんて、 友達同士ならまだしも、
エレベーターで乗り合わせた会社の顔見知りには尋ねないだろう。
こういう質問はあまり発生しないだろうから、、と前置きすると、
そんな個人的な質問をするのはイギリス人だけで、大陸ヨーロッパでもない!と一蹴。
英語を習い始めた当初、英会話Nで毎回講師にこの質問をされて、
え、別に... と答えに戸惑っていた自分を思い出し、懐かしくなりました(笑)。
他にも言われて気づいた日本語のユニークな点がたくさんあり、
こちらも毎回日本語に新たな発見があり、
改めて言語の奥深さにのめりこんで行きそうです。
毎週一時間の授業ながら、少なからず彼にとって刺激となっている様子。
予習復習をしてくれているようで、昔の記憶も蘇るのか、
回を重ねる毎に上達が伺えるのが嬉しいです。
私は私で、なんとかこの経験をテコに将来的に販路を拡大できないかと模索中(笑)。