2011年10月28日金曜日

リビア



先日の、カダフィ大佐死亡のニュースはかなり衝撃的だった。

それというのも、中学生の時分から、個人的にリビアという国に思い入れがあったのも事実ながら、
昨年末通っていた LSE で「カダフィ大佐とビデオ会議」というイベントがあり、
大佐と生中継での質疑応答に参加するという貴重な経験をしたから。

2010年12月、カダフィ大佐とビデオ会議のイベントの様子。

質疑応答にはここぞとばかりに挙手を続けたものの、
残念ながら選ばれず、一対一で対話をする機会には恵まれなかったが、
この大佐とのビデオ会議への参加は、LSE に入って良かった!
と最も強く感じさせられた瞬間のひとつである。
年が明けてリビア情勢が世界で騒がれるようになり、
大学からリビアへの献金問題などが明るみになり、
リビアとの関係を断ち切れと学生デモが起ったり、
学長が辞任に至るという嬉しくない後日談もあったわけだが...。

それから一年も経たないうちにリビアは歴史的な変革を越え、
あの大佐ももうこの世にはいないのか... と考えると、なんだかもう他人事と思えない。

2008年に念願のリビア訪問を果たし、一般の日本人よりはリビアに明るいつもりだが、
あの国の実情についてはまだまだ知らないことの方が膨大。
今後の展開が楽しみでもあり、独裁終結後、誰が(どの国が?!)リビアを治めるのか、
考えると不安な点もある。
今後もリビアの動向を静かに見守って行きたい。



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2011年10月3日月曜日

成績戻って来た。〜BOPビジネス

BOPのクラスのエッセイのマークが返された。
このブログにも何度となく登場している、インドへ行ったあのプロジェクトである。
プロジェクトとは別に、2,000 words のエッセイが課され、これが全体の成績の45%のウェイトを占める。

エッセイのお題は、『自分でBOPビジネスを一つ選んで、その business model と implementation process を分析せよ』だった。

一口でエッセイと言っても、マネジメント学部の求める内容や書き方は、私の所属する地理学部のものとはまた違う。
授業でエッセイの説明があった時に、「セオリー大好き。High quality papers(マネジメント関連のジャーナル等でも特にトップクラスのもの)からの引用重視...」と念を押されてのを素直に信じ、それに従った。

まずはBOPビジネスの類いを一つ選ぶわけだが。
BOPビジネスはインドやバングラディシュが主流な他、南米の事例もいくつか授業で暑かったので、この辺はみんなやるだろうから外し、私は敢えて、日本企業で勝負することにした!

と言うと聞こえが良いのだが、クラスに他に日本人がいなかったし、先生方も日本企業のBOPなんてあまり聞いた事がないだろう(という勝手な憶測に基づき)と思い、目新しさを狙った。
と言うとまだまだ聞こえが良いのだが、何より、資料を読んだり情報収集が日本語でできる(=所要時間半減)!これは大きい(笑)。

で、選んだのは、ヤクルトと迷った挙げ句、味の素。
同社は勿論、グラミンみたいな純BOP起業ではない。
が、半世紀前からアフリカや東南アジアで実質BOPビジネスに類似する事業展開をしている。
そのビジネス展開というのは、例えば、地元の料理の味に合うスパイスや、受入れられ易いパッケージデザイン等、国や地域別の製品の研究開発をしていたり、独自の販促ルートを持っていたり...(詳細略)ということで、要は授業でやった内容と被る部分が大きかったので、例として使い易かった。

エッセイではまず、味の素の海外ビジネスの紹介をし、上記のような特徴を、実際に数カ国での販売方法など例を挙げて示し、BOPビジネスに関する学術論文から引っ張って来たセオリーやモデルを使って、味の素のビジネスモデルの利点と(わずかながら)改善の余地がある点を分析。
同じようにインプリメンテーションも分析。
お題の通り、ビジネスモデルとインプリメンテーションモデルをしっかり分けて書いた。
2,000 words は、エッセイとしてはかなり短い。特に今回のように、ビジネスを紹介しながら、理論を用いて分析なんてやっていると、すぐに2,000到達してしまう。
そこで、descriptive になりそうな箇所(特にビジネスモデルの紹介など)は、可能な限り表やチャートを用いて字数を抑えた。
味の素のウェブサイトはもちろん、決算資料や会社説明会資料、ビジネス雑誌の記事までいろいろ漁り(全て日本語。イェイ♪)、言われた通り一流マネジメントジャーナルから引用もして、なんとか収めた1,991 words。

書いている頃はちょうど東日本大震災があった最中で、心中穏やかでない上、他にも課題が集中していた時期だったので、このエッセイは正味3日で書いた。
結果はまあパス(合格ライン)は大丈夫だろうなとは思っていたが、一番の懸念は、選んだ味の素が果たして採点者にBOPビジネスと認められるのか?という点だった。
日本の事例を扱う学生は他にまずいないだろうし、元来BOPとして運営しているビジネスではないので、目新しさはあっても、もし本論からずれていると判断されたら元も子もない。
緊張しながら結果を待った。


結果は提出から4ヶ月近く経過した夏真っ盛りの頃にやって来た。
バタバタと書いた物が、なんとまさかの Distinction (優)!
LSE の課題で初めてゲットした Distinction!!

改めて、このエッセイを読み返してみると、うん、確かに良く書けている。
英語のミスが簡単にぼろぼろと見つかるものの(汗)、まあそこは大学側も目をつぶってくれているのか(あるいはこのせいで多少減点されているのか?)、読み難い文面は構成と多用した表やチャートがきちんと補ってくれている。
ビジネス自体を細かく分析できたのは、十分な資料を入手し、活用できたことが勝因だと思うので、日本語でリサーチできる日本のビジネスを選んだことが功を奏したかと思う。

あとはやはり、マネジメント学部の課題は、自分がこれまでの人生で培った経験や、もっと言うと良識に則って論じられる部分が多く、挿入できる持ちネタや論理の展開の幅が広がる。
本業(?)の環境や開発がテーマだとこうは行かない。
この程度の時間と労力の投資と心労でDistinction がもらえるのだったら、、
うーん、やはり学部間違えたか。


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