2013年4月12日金曜日

空の旅 バース〜ブリストル


先週末、人生初、気球に乗ってきました。

昨年夏ブリストルのバルーンフェスタにて乗るつもりで予約したのですが、
当日は風が強くてキャンセルになり、あえなく一泊し早朝とんぼ帰り。
乗船権は購入した昨年5月から一年間有効なので、そろそろ計画しなくては。
寒く暗い冬を抜けたこの時期に再チャレンジ。

こちらの会社を利用しました。http://www.baileyballoons.co.uk/index.html

飛行はブリストルで夕方17時から。天気予報を見つつ、土曜日に予約。
天候により飛行が可能か否か、当日の14時までわからないと聞いており、
14時過ぎてからロンドン出たら相当ぎりぎりじゃん... と懸念していたところ、
念のため家人が午前中に連絡を入れてみたら、あっさり「今日は大丈夫です」の返事。
しかも、飛行場所がブリストルからバースに変更しますとのお知らせ。
ブリストルよりバースのほうが近いし、何よりバースの観光もできるとあって、これは嬉しい。
昼過ぎの電車でロンドンを出て、15時ごろバース着。
私は15年ぶり?!のバース。
記憶にあるのは雨降りの暗いバースだったので、
今回明るい空の下で活気ある町並みを見ることができて良かった。
天候のせいもあってか、想像以上ににぎやかで気持ちの良い街で、
イギリス地方都市に興味皆無の私も、あらちょっと住んでみてもいいかも?
とすら思ってしまった。
(ちなみに地方都市への興味を壊滅させた犯人は、昨夏訪れたブリストル)

名物のローマンバスは行列が長く、入場料も高いのでパス。
おみやげ屋さんだけ物色。
ラテン語版のハリポタを発見。さすが~。


ガイドブックでおなじみの、円い広場を囲むように建物の建ったサーカス、
芝生を囲む弧を描くような建物クレッセントなどを見つつ歩く。
気候が良いのでピクニックを楽しむ市民が多数。


さらに歩いていたら、こんなふうに幹が倒れた木を発見。

倒れているけどしっかり育っている。
枝葉は日光を求めて伸びて行くと小中学校で習った覚えがありますが、
この年になってその事実を改めて認識しました。
百聞はナントカってこのこと。


さて、集合時間の17時前をめどに、今朝教えられた飛行場所へと向かう。
指定された場所は、だだっ広く何もない草原を想像していたら、
行ってみると普通の芝生の公園。
ここでも市民がピクニックしている。
え、こんな人いっぱいのところで飛ぶの??

間もなく気球運営会社のバスが次々に到着。
まもなく我々のBailey Balloonsの車も、ブリストルから他の乗客と気球一式を乗せてやってきました。

挨拶をして、内心まさかまさかと思いながら観察していると、
ピクニックする人たちの合間を縫うように、空いた空間に次々と機材を下ろし、気球の準備が進んでいくではないか。


すぐ側で別の気球会社が先に準備完了し、あれよあれよという間に飛んで行ってしまった。

乗客の我々も、準備に駆り出されます。
まず、みんなで気球の風船の部分を広げる。

エア注入。手前で風船持ってるのも乗客。
だんだん膨らみ...
ファイヤー注入。

ついに立った!

風船が膨らんで籠が立ち上がったら、すばやくよじ登るように乗り込みます。
気球はMAX12人+操縦士1名が定員といったところか。

気球会社のスタッフは、操縦士1名と、車で気球を追いかけて着陸後撤収の際に合流する地上スタッフ2名、計3名でのオペレーション。
インストラクションは離着陸時の座った姿勢だけ。安全ベルトも何もありゃしない。
地上部隊の2人に見送られ、あれよあれよという間に地面から離れ、
気がつけば下の世界がどんどん遠くなる...。


離陸時は全員座るよう指示がありましたが、一度地面を離れてしまえば起立OK。
自分の乗っている気球の陰が、自分から離れたところにくっきり。
不思議な感覚です。

バースの街並。
先ほど歩いてきた駅からの道、サーカスやクレッセントを空から一望。
右を流れているのはエイボン川。この川がこの街を作ったのだな。

20分ほどでバースの街は遠く見えなくなり、眼下は一面畑の風景。
上空は実に静かで、地上がいかに騒音で溢れかえっているかがわかります。
飛んだのが夕方6時くらいなので、だんだん陽も落ちる時間帯へ。

飛行中は、みなそれぞれに写真を撮ったり、景色を眺めたり。
先述の通り、乗っている籠の外壁以外は安全ベルトも柵も何もないので、
自己責任で籠から落っこちない程度の活動を楽しみます。
ちなみに籠の高さは、上のほうの写真でわかるが、成人男性の胸元あたり。
外を眺めるだけならさほど危険は感じません。


ちなみに、気球の仕組みについてまったく無知の私は、
バースから飛んで、バースの同じ場所に戻って着陸するのだと思っていました...。
飛んでみてわかりましたが、そんなの到底無理な話で、行き先は風任せ。
バースから電車で30分くらい離れたブリストル方面へ飛び、
着陸許可の下りている適当な空き地に着陸。
帰りはブリストルまで送ってくれるというシステムでした。

眼下に動物たち。羊の放牧や、おそらく野生のウサギも確認できます。

かれこれ1時間くらいが経過したでしょうか。
ぼちぼち着陸地点の捜索が本格化。

高度が下がってくると、風船の中にファイヤー。
結構な音がします。

もうすぐ着陸。林のすれすれのところを通過。

ようやく道路沿いの空き地のような空間に着陸。

が、ここからが厄介。
操縦士いわく、かつて一度着陸したことがあるという、家畜の放牧地なのか、何もない芝生の空間なのだが、道路とこの空き地を隔てる柵の入口の鍵がかかっており、撤収部隊の車が入ってこられない。

20分以上待っただろうか。結局オーナー見つからず、鍵も開かず。
仕方がないので、少し離れた別の空き地まで再度気球を飛ばすことに。
再度気球に熱を入れて、すぐ横で草を食む家畜を横目にまたまた飛行。
飛んでから降りられそうな空き地をロケハンし、降りてから土地のオーナーを探して鍵を開けてもらうという、日本人の感覚では「いやちょっと大丈夫なのか?!」と思うようなオペレーション...。
まあ、風任せの乗り物だと思えば、妥当なんでしょうか。

2度目に降りた空き地のオーナーは間もなく探し当てられ(すぐ側に民家があるので、そこがオーナーの住処だろうと当たりをつけて降りたものと思われる)、着陸間もなく地上部隊が到着。
ちょうど夕陽が沈んで行く中、乗客総出で今度は気球の撤収作業。
風船部分の空気を抜いて、小さくたたみ、さらにそれをみんなで持って車に乗せる。
乗客も体力勝負ですな。

私はというと、日没とともに突如外気が冷たくなり、一気に下がった気温に身体が順応できず、すっかり凍えてしまい、悪いが撤収作業どころではない。
片付けが済んだ後、その場でシャンパンやビールが振る舞われ、みんな飲んでいたが、私一人震えて車の中に逃げ込む始末。
しかし、スタッフの人が車までシャンパンを持って来てくれたので、しっかりいただきました(これには家人も呆れた)。

最後は車で20分ほど走ったブリストルの駅で降ろしてもらい、無事イベント終了。
下船後寒くて凍えた以外は、気持ちよい半日を過ごすことが出来ました。

駅に着いたのは21時ちょっと前でした。今回は泊りません!日帰りです。
ロンドンから買った電車のチケットはバースまでの往復だったので、
ブリストル→バースまでの片道切符を買いに窓口へ行くと、
なんと、係員が無料でブリストル→ロンドンのチケットに交換してくれました。
こんなことってあり?!券売機を使わなくて良かった!
窓口の彼はよほど機嫌が良かったのだろうか...
しかし、こんなことチケット売り場の人の裁量でできてしまうことなのか?

ありがたく浮いた切符代でコーヒーを飲んで寒さと闘い1時間待ち、
22時過ぎにやっと乗った帰りの電車。
たまたま乗った車両の座席には、TVモニターが付いていました。
セカンドクラスでもこんなのあるんだ。ある車両とない車両がある様子。
(ロンドンからあまり国内遠出しないので、鉄道事情に詳しくないのです...)

 Jamie Oliver の料理番組を見て、爆睡しながらロンドンまで帰りました。
しかしこの電車がやれ遅延やら回り道やらで、パディントン着は夜中1時。
家に着いたら2時ですよ。いやいや参った。

2月にエジプトで気球事故があったことは、帰宅してから知りました。
日本の母に「気球に乗ってくる」とメールして出かけたので、出かけている間は随分心配していた様子。
だいぶ遅くなってしまったので、慌てて無事帰宅の連絡を入れました。
しかし、もし事故のことを知っていたら、緊張・萎縮して気球を存分に楽しめなかったかも...。
世の中、知らない事で吉と出ることもあるもんだな、と思いつつ就寝。


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