2013年11月15日金曜日

Wasabi の思い出

すっかりクリスマスモード全開の Canary Wharf。

今日は寝過ごして手ぶらで出社してしまった。
仕方なくランチを外で買わなくては。

ランチタイム文化のないイギリスでは、手軽に買える昼食の選択肢の幅が狭い。
東京のように「今日は何食べようかな」なんて迷う必要は全くなく、
食べたい(食べても良い)と思うものを探し出すのに結構苦労する。

幸運なことに、今日はムショウに食べたくなったものがあり即決。
wasabiのチキンカレーを食すことに。

wasabi というのはロンドン中心部にはあちこちに支店のある、
一応日本食のファストフード店。
焼きそば、カレーライス、酢豚&ご飯(豚じゃなくて鶏だったかも)など、
20センチくらいの深い紙製ケースに入れられる温かい食事の他、
寿司や所謂日本のコンビニおにぎりなど売られている。

wasabiのランチタイムのオペレーションについては特筆したい事が多々あるが(良い意味で)それらはまた別の機会に。

Cabot Place の wasabi で無事カレーをゲット。
店はテイクウェイ専門なので、食べる場所を探さねばならない。
外は天気は良いものの寒すぎる。
会社の机で食べたくないので、
店の近くのショッピングモールのベンチに落ち着き、
通行人を観察しながら食べることにする。
この辺のベンチは、昼休みには一人ご飯のサラリーマンやOLで溢れている。
だから一人でもへっちゃら。

こんな感じ。通路の中心にベンチが連立。

空いたスペースに無事腰を下ろし、食べ始めると、
急にあることを思い出した。

もうかれこれ3年くらい前である。
ロンドンに来てまもなく、大学院の一学期目も終わらない頃。

大学院はぶっちゃけ口実、何よりただロンドンに滞在したかった私は、
勉強する間を惜しんで就職活動に精を出していた。

ロンドンの中でもどうしてもCanary Wharfで働きたかったので、
Canary Wharfに本社や主要オフィスを構える企業の新卒採用枠にのきなみ応募した。

コンピューターでのスクリーニングテスト、履歴書エントリー、
電話面接などを経て、
初めて最終面接にこぎつけたのがHS○C社。

12月のとある日。まだ暗い朝7時半。
私と同じ組の最終面接のため同社受付に集合したのは12人。
うちイギリス人は2-3名、他はみな外国人。ヨーロッパ人に加え、
日本人の自分のほか、インド人、中国人が2人ずつくらいいた。

この日はまず筆記試験があり、その後、個々がそれぞれ3組の面接官と面談した。
グループでのタスクというものはなかったが、
12人がひとつの部屋で待機し、かわるがわる面談に呼ばれていくので、
待っている者同士、自然と会話が生じる。

半日経って皆疲れきって家路に着く頃には、連絡先を交換して別れた。
同じ業界を志すもの同士(自分の場合動機不純でこの限りではなかったが)
皆なんとなく通ずるものがあったのだろう。

私は一緒にビルを出たインド人の男子と台湾人の女子と3人で、
お腹を満たしてから帰ることにした。
その時に立ち寄ったのが、このCabot Place の wasabiである。

2人ともまだ20代中頃の若者だったが、
こちらの大学を卒業した後、Post Study Workビザで既に就労していた。
イギリス暦数ヶ月の私はwasabi初めてだったので、
慣れた2人に倣ってチキンヤキソバを注文した。

そして、この日も今日と同じように、
このショッピングモールのベンチに座って食べたのだ。

何を話したかはあまり覚えていない。
2人とも若いので、ボーイフレンドやガールフレンドの話をした記憶がうっすらある。

翌日このインド人の男子から、面接で一緒だった全員に一斉メールが届いた。
彼は採用通知をもらったらしい。
そして翌日、私は不採用通知と面接のフィードバックと共に、
この組の12人のうち、合格したのは彼一人だったということも知った。

一緒にwasabiを食べた後、その2人とはその後一度も会っていない。
しかし今でもFacebookというツールでなんとなく繋がっており、
そこから生活の様子が伺える。

インド人の男子はそのままHS○Cに入社し、肩書きはアナリスト。
そして台湾人の女子も、その後しばらく経ってから
別ルートでHS○Cに転職したようだ。

そして私も無事Canary Wharfで職にありつき、
今はHS○Cと目と鼻の先のビルで働いている。
結果的に皆、あの日の目標は達成したんだね。

そんなこと考えて、一人でしみじみしながらカレー食べた。

あの当時のような、新しいパッションが必要だなあ。



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