2012年3月11日日曜日

半年勤めた勤務先にたどりついたいきさつ


この半年ほど勤務していた会社を本日退職した。

昨年7月、LSEでの試験が終わり、まだ修士論文の焦点が定まらずにひーひー言っていた頃、大学のキャリアサービスのサイトでこの仕事を見つけた。

日本語が出来る人フルタイムという募集だったので、詳細は開示されていなかったが、日曜の朝、とりあえずささっとCVとカバーレターを送付。翌月曜の朝10時には電話がかかってきて、その翌日の火曜日に面接に行くことになった。

当日会社のあるビルへ行き、まずうっっと思った。ビルが古めかしくてなんか寂しい...。さらに、中小企業がたくさん入ったこの雑居ビルの中、探せど探せどこの会社のオフィスが見当たらない。ようやく探し当てたオフィスは、長い廊下の一番奥にあり、20畳ほどのスペースに机がひしめき、汚くはないが、整理されていない書類や統一感のない色のコーディネートで、とにかく「雑」な印象。隣接する会議室に通された。

まず、イギリス人2人と英語で面接をし、こちらからはひととおり経歴の説明をし、会社の事業内容や担当業務内容、条件などの話があった。その後、パソコンを使って、会社が関係が深い業界の用語と翻訳(英→日、日→英)の20分間のテストがあった。さらにその後、日本人の社長と日本語で面接。率直に言って最悪の印象。まず、会議室を使うからとその場を追われ、雑居ビルの1階の受付横の狭いロビーの、おせじにもきれいとは言えないソファに座って話すことに。なんだかつまらなそうに、そして何より私に興味なさそうにしゃべる社長。私の送ったCVを見ていないのもありありだった。帰り際も、「じゃ、また連絡します」と一言、挨拶もなく立ち上がり、私を一人ロビーに置いて立ち去った。

繰り返すが、最悪の印象。おんぼろビルの煩雑オフィス、付き合いにくそうな社長...。どうせ向こうも興味ないだろうから、この会社に来た事すら忘れようと思いながら帰路についた。 ろくに会社情報を調べもせず来た私も悪いのだが、貴重な時間と交通費を返してくれとぼやきたくもなる程だった。

翌日の昼、図書館で修論に取り組んでいると電話があった。昨日挨拶もなく立ち去った例の社長からだった。もう一度来て欲しいと言う。昨日は全然興味なさそうだったのに、二次面接?とにかく早いうちにもう一度と言うので、翌々日の金曜日に行く事にした。

二度目の訪問時は、前回とは別人のようにニコニコした社長に迎えられた。会議室で着席し、2、3世間話をしたところで、間もなく仕事のオファーがあった。先日相当どうでもいいあしらいをされたため、全く拍子抜けさせられた。就職希望者からの応募は多くあると強調しているので、「その中からなんで私を選んだのか?」と聞いてみると、「日本でのビジネス経験があった事と、翻訳テストの結果がとても良かった事」という答えだった。

正直、初訪問の印象があまりにも良くなかったので、このオファーを受けようかどうしようか迷った。世間話をしながら数分考えた。この会社の焦点は、私がLSEで専攻した内容と少なからず関連が深かった。小さい会社で、素人目にはこれから伸びそうに思える分野を扱っているので、うまくハマればいろいろな業務経験を積む事ができそうだ。勤務地は理想のCanary Wharfとはほど遠いが、自宅から通いにくくはない。何より、8月末に修士論文が終わるまで活発な就職活動をする時間と労力がない。先に働き口を押さえておくのはしごく賢明に思えた。

この時7月中旬。修士論文の提出が8月末。実はその後、母と地中海を廻る旅行を企画していたのだが、そうは伝えず、日本に帰る予定があると言った。なので勤務開始は早くて9月の中旬になると申し出たところ、それでも構わないという返事だった。また、当時私は学生ビザで滞在しており、卒業後はPSW(Post-Study-Work visa) に切り替える見込みであったが、それも問題ないと言う(日系や大手では、見込みでの採用はしてくれない事が多い)。これが決め手となった。

とりあえず口頭で入社の意思を伝えた。新卒の失業率が20%のイギリスで、 就労ビザを持たない外国人が、まずまともな職にありつけることがラッキーだと考えられる現状。LSEが終わった後もロンドンに滞在する理由を確保でき、肩の荷が下りたことは言うまでもない。
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